サピックス中学入試分析会2023 理科なぐり書き

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算数、国語に続きまして、理科のなぐり書きです。少しでもお役に立てましたら幸いです!!

出題傾向

○読み取り、その場の対応力が問われる問題
○身の回りの理科を題材にした問題
○難度の高い題材からの出題が最難関校に関わらず見られる

近年の傾向を踏襲しつつも、定型で難度を抑えた問題が非常に多く、ミスや単元の穴が許されない入試であった
そのため高得点勝負の入試になった学校が散見された
開成中:合格者平均61.5点(70点満点)、満点に対し88%
早稲田中第一回:合格者平均が満点に対し83%
吉祥女子中第一回:合格者平均が満点に対し80%

理科が苦手な子にとって厳しい入試となった

物理

開成中をはじめ、非常に多くの学校で「振り子」の問題が出題された
聖光学院中、駒場東邦中、サレジオ学院中、雙葉中など、あげればキリがないほどだったが、これは昨年度の入試において物体の運動からの出題が少なかったことからのよりもどしと見られる、どの学校も定型的で難易度は高くなかった

桜蔭中:ばねの弾性を題材とした問題
定型ではない読み取り問題で、受験生の総合力を問う良問だった
これができれば絶対に大丈夫と太鼓判を押せるような、そんな問題だった
→読み取り、総合力が必要となる問題は他の学校でも見られる(女子学院中、筑波大附属駒場中での電気回路の問題)

一方で、題材として高難度な問題もある
慶応普通部、成城中、立教新座中など:自転車を利用した滑車輪軸の問題
巣鴨中:滑車輪軸の非常に難易度の高い問題
鷗友中、浅野中:ドップラー効果を題材にした計算問題

科学

海城中、浦和明の星中:読み取り計算問題

問題文とデータを読み取り計算するだけで解答出来る問題、大人は簡単だと思いがちだが、小学生にとってはそうとは限らないので注意が必要
このような科学計算が苦手だという子供が結構多い

苦手な子供の特徴を端的に言うと「問題を読まない」

1.問題を読まずに勝手に自分で問題を作ってしまうパターン

問題文の中の数値を勝手に掛けたり割ったりして答えを出してしまい、なぜその数値を使ったのか、掛けたのかといった根拠が全くない、「前に同じようなことをして答えが出た気がするから」などという理由で、大人には全く理解できない行動だが、とても多いパターンである

2.解いたことのない問題があると問題を読まずに解く気が失せてしまうパターン

子供は「考えているんだ」というが、問題文を読まずに何を考えているのか、これも大人にはわからない事象だが、子供にはとても多い
考えなくてもいいからとにかく何度も問題文を読もうよ、と思うが子供にはなかなか難しいよう
→問題を物理的に解かないといけない、解き直しをするのではなく、「読み直し」をすることがポイント

「読めば、解ける」という経験に繋がるのでおすすめ

復習ということで、同じ問題を繰り返し解いているとその問題は出来るようにはなるが、問題文を読まなくても解けてしまうようになり、むしろ読み取りが出来なくなることがあるので注意が必要

早稲田高等学院中:金属の熱量計算の問題
豊島岡女子中:酸化、還元の問題

以上2つは高難度の定型題で、サピックスでは小学6年の夏以降に学習する内容だが、完璧にするにはなかなか難しいので、6年の夏以降に難しい題材の問題に時間が割けるように、それまでには基礎固めをしっかり行う必要がある
定型題については繰り返し解いて訓練する必要がある
「わかる」のも大事だが、それだけでは答えが合わないことが多いのが高難度の定型題の特徴である

生物

例年通り、身の回りの動植物について幅広く出題されている
定型的な実験観察問題だけでなく、定型外の実験も引き続き一定数見られる
動植物の知識は、実際に見て聞いて触れて経験をするのが一番だが、親子でサピックスの理科特別動画を見て楽しむのもおすすめ
素晴らしい身の回りの日常をお土産のように集めて親子で会話したいところ
親子で楽しみながら身の回りの理科を学習すると良い

早稲田高等学院中:人体に関する基本的な知識の問題
解答形式に工夫が見られた、知識を単語として記憶しているだけでなく、習った知識を常識として身につけていることが問われる

大妻中:小学生にとって定型ではない実験観察の読み取り問題
難易度は消して高くなく、読み取ができるかどうかだけが問われているという良問であった

生物分野と関連のある環境問題が題材になっているものも散見された
白百合学園中、頌栄女子学院中:SDGsと昆虫食を関連させた問題が出題
環境問題について幅広い関心を持ち、既習の内容と結びつけるようにする必要がある

地学

地層単元

今年度は時事的なだけでなく、幅広く細かい知識を問う問題が多く見られた

攻玉社中:地層の定型題である柱状図を読み取り計算する問題や、堆積岩の一つ、チャートに関する知識の問題(柱状図の問題は、開成中や芝中など多くの学校で見られた)

難しすぎず、優しすぎず、きちんと学習してきた子が得点できる問題だった

一方地層単元では、細かい知識まで問われる出題が目立った

他にも、二酸化珪素、プレートの名前、デイサイトについてなど、受験生でもあまり耳にしない、資料集を隅々まで読んでいる子しか知らないような細かい知識が問われている

天体単元

地層単元と同様に定型題の出題が目立った
普連土学園中:太陽の動きの問題
女子学院中:惑星の周期の問題

天体の動きについての問題はほどんどの問題で、日本だけでなく、北極、赤道、南半球での天体の動きまで問われる、このレベルまでを妥協なく学習することが必要である

入試問題への対処法

  • 高得点勝負において、理科の苦手は命取り。頑張って勉強すること
  • どこでも高難度に対応すべく、どの学校を志望していても妥協なく勉強すること
  • 最難関校は読み取りで差をつける出題が多いので、初見の問題を解く機会を大事にすること
  • 全ての問題は、身の回りの理科がキーワード。必修の内容と身の回りの事物現象を結びつける意識を持って生活すること

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