子どもの虫歯は減少傾向に
令和2年度「学校保健統計」において、子どもの虫歯は昭和50年代をピークにその後減少傾向にあることが分かります。
ただ、虫歯のある子どもの割合は、幼稚園で30.34%、小学校で40.21%、中学校で32.16%、高校では41.66%です(処置完了者を含む)。昔よりはだいぶ減ったとはいえ、虫歯は過去のものというにはまだ早い気がします。
虫歯罹患率のピークは8歳…考えられる原因とその対策
8歳に多い虫歯…考えられる原因
年齢別では虫歯になっている子どもは8歳が一番多くなっており(51.05%)、原因としては次のようなものがあると考えられます。
歯の生え変わり時期であるため
8歳というと、早い子では前歯と奥歯の間にある「犬歯(糸切歯)」の生え変わりに突入している子もいますが、生え始めの永久歯は未成熟で虫歯になりやすいと言われており、この未成熟の時期はなんと2〜3年も続きます。6歳の頃に生えてきた「第一大臼歯」も8歳になってもずっと未成熟の歯に含まれるということ。8〜9歳の口内環境は他の歳の子どもと比べてデリケートと言えます。
仕上げ磨きを卒業してしまう
もう小学校2〜3年生ですから、自分でできることが増え、身支度を自分だけでこなす子も少なくありません。こうした中、歯磨きの仕上げ磨きを卒業するご家庭も出て来ると思います。情報サイトの中にも「8〜9歳」までは仕上げ磨きをしましょうとするものもあります。ですが、データからわかるように仕上げ磨きをここでやめてしまうのは虫歯のリスクが伴います。最近では「仕上げ磨きは12歳まで続ける」ことを推奨する人も増えてきています。
親の見ていないところでの食事
小学校に進学してある程度経つと友達も増え、子どもたちだけで公園で遊びに行くことも出てきます。そうした中で見られるのが「買い食い」です。幼稚園までは子どもが食べるものを親が管理し、時には必要に応じて簡単なうがいや歯磨き、お茶を飲ませるなどの対応が出来ましたが、小学生になるとそうはいかなくなってきます。ジュース片手にアイスなどのお菓子を食べている小学生グループなどをよく目にしますが、こうした親の管理が出来ないところでの食事内容が虫歯につながるケースも十分にありえます。